五色文庫

銃爪（ひきがね）引くたびに　心を捨ててきたオレが目の前にいる
裏切り者なのさ　暗闇のしもべさ　そんなオレなんて嫌になる

二人で逃げよう　ねえ
汚れた自分を消したい　暗き闇路の夜空で
満月よ　美しき銃口となれ　狙い定めて…

そしてすぐにオレを撃ち抜いて　呪縛をどうかほどいて
全てが長き夜の夢だと言って　終わりにしてよ
君は絶対諦めるなって　眩しい眼差しで言うけど
オレは意気地なしだね　がんじがらめで　蹲るだけさ

何故闇に魅せられ　君まで欺いて　オレは生きてきたのか
陽炎に似ていた　朧に身を隠し　苦笑いなんて嫌になる

全てを捨てよう　ほら
最後の仕事をするから　星の瞬く夜空（そら）で
満月の美しき銃口を　今　覗き込むのさ…

そしてすぐに罪を撃ち抜いて　苦しい日々を砕いて
これから君のため生きると言って　終わりにするよ
君は絶対逃げちゃだめだって　涙を浮かべては言うけど
オレはそんな君さえ　また裏切るかもしれないけど

だからすぐにオレを撃ち抜いて　呪縛をどうかほどいて
全てが長き夜の夢だと言って　終わりにしてよ
君の涙で胸を撃ち抜いて　愚かなこの身を消してよ
オレが大切な君　また裏切るその前に　消して…