close

政府から一通の手紙が届いた。
なんだろうと、審神者が何気なく開いてみるとーー「近侍への指令です。審神者の胸を揉んでください。任務完成の際に各資材5万を報酬として本丸に送る。以上。」
「...は?」
またわけがわからない指令がきたよ...
審神者は思わずため息をついた。
資材5万ってすごく魅力的だけど、本丸の資材はそこまで不足してるわけでもないので、このために胸が揉まれるのはちょっとな...と、最終的に無視することにした審神者だった。
しかし。

【三日月宗近の場合】
仕事が終わり審神者が執務室を出た時、近侍の三日月は書物の下に置かれた手紙を取り出した。
「ほ?これはなかなか興味深い指令だな」
と、さっそく短刀達と楽しくしゃべってる審神者を呼び出し、
「主。少しいいか」
と執務室まで連れ戻した。
「何があったのか?」
と訊く審神者に対し、三日月はいきなり自分の膝の上に座らせ、
「三日月?...!!!!」
胸を揉み始めた。
「ちょっ…!なにを…!」審神者がびっくりして抵抗しようと、今度は耳が噛まれた。「きゃーー‼」
耳か。胸か。両手でどこを守るべきかがわからなくなった。
離れたくても離れず、ついにされるがままになってしまった。
しばらくしたらーー
「主、大量の資材が突然送られてきましたが、何かご存知でしょうか?」
と執務室へ尋ねに来た長谷部が目にしたのは三日月の膝上に座ってる服も髪も乱れていて涙目の審神者だった。

 

【鶴丸国永の場合】
「なんだい、それは」
様子がすこし変わった審神者に、近侍の鶴丸は訊いた。
「何でもない」きっぱりと答えた審神者は手紙を捨てようとした。
「それ、政府からの手紙だろう?俺にも読ませてくれ」
「いや...大したことじゃないし、読まなくてもいいよ...」
素直に聞き入れるはずもなく、鶴丸は手を伸ばしてその手紙を奪い取った。
「‼」
「これは...さすがに俺も驚いたぜ...」
「で、きみはこの指示通りにしなくていいと」
「あ、当たり前でしょう⁉」審神者は冷静だった。頬はやや赤くなってるけど。「そこまでして資材が欲しくてたまらないわけじゃないから」
普段は無理して鍛刀したりしてないから、資材不足という深刻な問題は起きてない。
「でも資材は多ければ多いほどいいだろう」
「それは、そうだけど...」
否定はできない。
「じゃ、決まりだな」
「え?」
鶴丸は審神者が逃げられないように素早く抱きしめた。そして、手を伸ばした。
「きゃーー‼」
胸が揉まれる感触に審神者は思わず声を上げた。
「ちょっ!鶴丸!やらなくていいって言ったでしょう⁉」
「そうだな」
「じゃなんで...」
「だが俺はやりたい。ついでに資材ももらえるからいいんじゃないか」
「ちっとも良くない‼」
ーーその後、鶴丸は愉しげに送られてきた資材を受け取った。資材が送られた理由について訊かれたが、いつもの振舞いでうまくごまかした。

 

【髭切の場合】
何かを察したかのように、近侍の髭切は本から審神者に目を向けた。
「政府から任務がきたのかい?」
「ちょっと違うかな」審神者は手紙を近くのゴミ箱に捨てた。「大したことじゃないから気にしなくていいよ」
「そう」
審神者の冷静な表情に騙されない髭切はゴミ箱の中から手紙を取り出そうとすると、審神者に止められた。
「僕が見ちゃいけないもの?うん、ますます気になるな」
「そういう訳じゃないけど...」
「じゃあ見せてもいいんじゃない」
「いや、その...」審神者は躊躇った。「見てもいいけど、やらないって約束してくれる?」
「内容次第かな」
「...」
結局、手紙は読まれた。
審神者は髭切の反応をうかがいながら、ゆっくりと襖のほうへ。
「これ、いやなのかい?」髭切はいつものように微笑んだ。
「はい喜んでどうぞ!とか言う女の人はいないと思うけど」
「相手が僕でも、かい?」
「...相手は関係ないでしょう⁉」
っていうか、なぜ髭切ならOKって思われてるの⁉
「待って!髭切!やらないでって言ったでしょう⁉」
「聞かないね。相手が誰であろうといいっていうから」
「そんなこと言ってない‼ちょっ、やめてください‼」
襖が突然開けられた。
審神者の胸を揉んでる髭切の手を見た膝丸は唖然した。
「...兄者、手」
「ありゃりゃ」
髭切は残念そうに審神者を離した。顔が真っ赤になった審神者は最速で部屋を出ていった。
「主は女性だ。女性にあんなことするのは失礼かと」
「いいのよ。近侍の特権だから」
「...は?」
翌日、届いた大量の資材を見た膝丸はようやく一部始終を知った。

arrow
arrow

    若染 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()